子どもたちの生活は、普通の家庭と変わらない少人数で構成された〈家〉で営まれます。設立当初から1名の担当者が5名以下の男女混合、年齢縦割りの子どもたちを担当する「責任担当制」による暮らしを養育の基本単位としています。担当者と子どもとの関係を、家庭における母子関係の役割を果たすものとして、担当をもたない職員がそれをサポートします。生活の運営はそれぞれの〈家〉の独自性を尊重しながら、家庭的な養育を目指します。
できる限り施設らしくないようにという考えから、住宅的なスケールによって設計されました。外観はなるべく控えめに二階以下に抑え、蔵的なプロポーションの子どもの家の屋根、越屋根風の食堂棟のトップライト等、小さな屋根の組み合わせで構成されています。仕上げは木と、紙と、コンクリートという素材をテーマに、内外共に各材質の化粧しない美しさをそのまま仕上材とした設計になっています。
豊かな田園風景の広がるこの地で、地域の皆様のご理解とご協力を得ながら、子どもたちの生活が営まれます。学校の先生方をはじめ、ボランティアの皆様、地域の後援会、ご支援くださる方々との繋がりを通して、子どもたちがやがて本当の豊かさを持つ人となれるように、共に力を合わせていきます。
子どもたちがここに来た時から、私たちと子どもたちの家族との関係が始まります。子どもたちの生活に支障のない限り、家族関係を取り入れます。私たちの担う部分に、家族でなければならない関わりを重ね合わせ、子どものもつ本来的な〈かがやき〉を育みます。やがて自分らしい〈光〉を持つ人となるようにと願いながら、家族と一緒に子どもたちの成長を応援します。
- 自分の可能性を信じて出発つ子どもたちに -
「どこに居ても応援しているよ。何か困ったことがあったらいつでも帰っておいで。」ここで出会った子どもたちにそんなメッセージを伝えながら、卒園後も関わり続けます。お盆やお正月などに帰ってくる卒園生との関わりは、今ここで暮らす子どもたちにとっても、職員にとっても大切な繋がりです。卒園後の進学や就職も、出来る限り応援します。そして可能性を信じて出発つ子どもたちに伴走し続けます。